ペガサス号への搭乗を待つロビーで、ジュロ(JURO)とビシャ(BISHA)は十数年ぶりの再会に、話が弾んでいた。そこへ女性のフク(FUKU)も加わった。そのうち話が興味深い、重力ベルトについて交わされた。
その作用について話は聞かされてはいたが、まだ実際に装着し、作動体験をしたことはなかった。そこで搭乗に先立って、その重力ベルトを体験するトレーニング・タイムが設けられてあった。3人はレインボーカラーのユニホームに着替えた後、ウエスト部分に先ほど話にあがっていた重力ベルトを装着した。
正式な名称は『重力コントロールベルト』と言うらしい。このベルトの中央バックルには3つのボタンがあり、中央の大きめのボタンには『N』の文字が記されてあった。そして、右には『+』の文字の少し小さめのボタン、左には『ー』の文字の少し小さめのボタンが記されてあった。
トレーニング・ルームの一角にサークル(円)が描かれてあり、ビシャがそのサークル内に立つと『82キロ』と、体重がディスプレーに表示された。
トレーナーより「ベルトの『+』を少し押してみて下さい」と言われたので押してみると、ディスプレーは『102』を表示し、体が重力で重く感じられるようになった。
次に、トレーナーより「『ー』を少し押して見て下さい」と言われて、押してみると『33』を表示し、今度は体が少し軽く感じられるようになった。そして更にこのベルトを使って、3人は空中遊泳を実感することになった。
「これは素晴らしいね!」と、フクは感動していた。
トレーニング・タイムが終了し、いよいよペガサス号へ搭乗する時間となった。乗務員となる8人は、直径30メートル以上ある球体のペガサス号を、目の当たりにしていた。設置フロアーから15~16メートルあたりにある搭乗口を目指して、乗務員はそれぞれ重力ベルトの『ー』ボタンを押し、空中浮遊の状態で近づき、そして搭乗した。
つづく