ペガサス号は紀元前8000年のサハラの上空に、タイムスリップしてきた。世界最大の砂漠、サハラ砂漠――。それが、緑豊かな草原となって広がっていた。現在時間をジュロ(JURO)が確かめると、紀元前8000年の10月24日を示していた。1万年ほど前の地球の様子を目の当たりにして、驚きと感動がこみ上げていた。

しばらく1万メートル上空から、地球環境を眺めることにした。ジュロは操縦席で、コンピュータからの分析データ資料を目で追いつつ、なにやらぶつぶつと考察をしているようだった。

一方、エビー(EBIE)はカーボン製の太い釣り竿を手にして、地中海での釣りをもくろんでいる様子だった。コンピュータからの海洋情報では、マグロが生息している。

タイ(TAI)がエビーに…「釣り舟はどうするんだい?」と言い放った。

エビーは「このペガサスから釣り糸を垂らして、マグロを釣り上げるか!」と、冗談っぽく言い返した。そこでタイは、「私に任せなさい!」と言って、持っていたマジックバッグの中にあった大小3つのボールの内、小さいボールの1つを手にした。

「これで、いいイカダが出現しますよ!」と言って、地中海の海原へ投げつけた。そのボールは空中から海面に近づいていくと、帆のついたイカダが海面に着水した。それを見て、エビーとタイそしてビシャの3人が、重力ベルトを操作してそのイカダに飛び乗った。

「1万年ほど前の地中海で、釣りが楽しめるなんて… 夢のようだね!」とエビーは、大満足の笑顔を振りまいていた。3人は釣り糸を垂らして、魚のあたりを待っていた。

そのうち、エビーがニヤッとした。(来るぞっ!)そして糸を引いた。

「大きいぞ!」と言って釣り名人のエビーは、しばらく魚との駆け引きを楽しんだ後、予想どおりのマグロを釣り上げた。

早速、ペガサスの船内に持ち帰った。船内に残っていたフク(FUKU)は、「大きいねえ~やりましたね!」と、エビーに喜びの声を掛けた。

そして、「後は、私の包丁さばきに任せて!」と、目を輝かせていた。

つづく