宮崎の地にしばらく滞在してその後に、バルディビアからの一行とともにダイとホテ、更には宮崎の村民2人を乗船させての日本列島(本州)の周回航行となった。
その主な航行ルートは、宮崎を出て瀬戸内海に入り、大阪湾から鳴門海峡を経て太平洋の黒潮に乗っていく。そして本州を北上してから、津軽海峡を経て日本海へと――。青森あたりで、一度上陸をする。その後に日本海を南西へと航行して、関門海峡を経てここ宮崎の地へ戻ってくる計画になっている。
船乗員一同ははじめて見る風景の数々に、感動の声を口々にしていた。この海路の指示は、ジュロ船長が的確にその都度示していた。
太平洋に出てからは黒潮に乗ってしばらくの間は、そのまま北上していくことになった。この黒潮に乗って、いろいろな魚にも遭遇することができた。そこで魚取りもした。そのための網なども用意されていて、宮崎からの乗員2人がリードしての網での魚取りが行われた。船上での食事は、この獲れたての魚を石包丁を巧みに使っての、刺し身のメニューとなった。
「これは、たまらなく旨いね!ほんと…」とダイとホテが発すると、他の船乗員たちも同様に喜びあっていた。
本州の北端の津軽海峡を経て、青森の地にて船を陸につけた。その場所は入り江で、波も穏やかだった。
短い時間ながら、青森の地の村民たちとも交流の場を持つこともできた。やはり共通の話題は、それぞれの地での魚取りのいろいろな話となった。そして、青森の地から出航していった。日本海の海は波風があったが、その中、南西へと向かっていった。本州の最西端の関門海峡を経て、船は宮崎の地に帰着することができた。
その夜は村民一同とともに、歓談の場が賑やかに催されたー。
つづく
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