午前3時(丑寅の刻)に、エクアドルのバルディビア文明の起こった地域―― 海岸部(グアヤキルあたりの地)に向けてペガサス号は、北東の方角(丑寅の方角)より着陸した。そして、この地にジュロとフクが降船した。その後、ペガサス号は再び北東の方角の空へと消えていった。

二人はそこで夜が明けるのを待った。そこは河口で、広々とした砂浜でした。そして入江の地形になっていた。

そこへ三人の少年が、興味津々で近づいて来た。おそらく近くに住んでいる少年たちのようだった。言葉が通じるかどうかわからないが一言、声を掛けた。

(事前に、原住民の言葉について調べてはいた)

少年たちは好意を持ってくれたのか、自分たちの村へ案内してくれるようだった。 村に着くと村民が半円形になって、見知らぬ二人をにらんでいた。案内をしてくれた少年の一人が、村の長と思われる中央にいる人に話を伝えていた。

その後その村の長から、どこから来たのかを尋ねられた。そこでジュロは、西の方角を指差して、西の方の海から漂着したことを手振りと、片言の言葉で表現して伝えた。

これがきっかけとなってジュロとフクは、遠くからやって来た客人として、この村で歓迎されることとなった。寝泊りする場所も提供してくれた。

半月経ち、1か月が経ち、その村で生活をしていて言葉も少しずつ交わせられ、そこでの生活習慣にも慣れていった。

そんなある日、ジュロは村の長に自分たち二人は船を造って、西の彼方にある自分の国へ帰りたいという思いを伝えた。

それを聞いて、村の長は少し困惑していた。(どうしたらいいのかを…)そこでフクは、自分たちの思いを身振り手振りとともに伝えた。

「とにかく、力を貸してほしい! 私たちに…」と。それを聞いて村の長は、「よし、わかった!」と聞き入れてくれたようだった。

つづく

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